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「ハチ」事実上終了のお知らせ


大阪の辛いカレーライス「ハチ」へ4ヶ月ぶりに向かう。

「辛口料理・ハチ」は大阪の辛いもの好きにとっての聖地。
特に辛いカレーライスに目がない人たちにとっては、
知らない人はもぐりかといわれているほど古くからある店で、
昼の11時すぎからサラリーマンが行列をするという、
あんたら仕事はどないしたんやと、
つっこみたくなるほどの人気店でもある。

時間は昼11時を少し回ったあたり。駅を出て商店街を歩き、
あの角を曲がれば久しぶりのハチか、なんて思っていたら、
ひょっとして今日は開いてないんじゃないかと、急に妙な気持ちになる。
ドキドキしながら角を曲がると、よかった、ドアが開いている。
並んでいる人がいないのですぐに入れそうだ、ラッキー。

入店すると先客はまだ3人。今日は空いているなと思う間もなく、
えっ? 厨房の中に芸人顔の小太りの若いにいちゃんと、
小柄でかいらしい若いねえちゃんが立っている。
あれ、バイトでも雇ったんかな?
いつからおるのですか?とにいちゃんに尋ねると、
おばちゃんは4月の25日で引退して私たちが3代目です、と。
え? 引退? 3代目? 
なんて驚く間もなく、ご飯は普通ですか、大盛りですか?と聞かれ、
普通でと返事。
おばちゃんなら有無も言わせず超大盛りがデフォで、
ご飯少なめと言うと普通の大盛りくらいの量が出てきたのだが、
この場合はあえて大盛りというべきだったのかな。

かつては魔女とあだ名がつき、
辛くて食べ残すと魔女に石にされるとまでいわれた、
あのおばちゃんにはもう会えないのか?
なんと、あのおばちゃんは2代目だったのか?
この若い二人が跡を継いだのか?
妙な違和感と、頭のなかでフラッシュバックするおばちゃんの姿。

運ばれてきたカレーライスは、
以前よりルーがさらっとしているようだが、まずは一口。
ん? 味がよくわからない?
というか、辛いだけで味がしないぞ。
辛さに関しては、昔より辛くなくなったとはいえ、
最近のおばちゃんのレベルに近いけれど、
味は似て非なるもの。
スパイスの種類など傾向は同じ方を向いているようなのだが、
辛いだけでカレーのコクと旨さがまったくない。
おまけにカレーにのせられている牛すじ煮込みも、
食べごたえのあったゴロっとした感じではなく型がくずれているし、
味が淡白で量も以前の3分の一程度。

なんじゃぁこりゃぁ!
と、頭の中で松田優作が絶叫する。
(by 太陽にほえろ)

テーブルに置かれていたつぎ足し用のルーポットもなくなり、
自己申告で継ぎ足してもらうシステムに。
半分くらいご飯を食べた時点でルーをつぎ足してもらったが、
ご飯を普通にしておいてよかった。
大盛りだとおそらく食べるのが苦痛になっていたことだろう。
だって、辛いだけでおいしくないものね(個人の主観です)。

店内の様子もお品書きも食器も前とは変わらないけれど、
肝心のカレーが「ハチ」じゃない。
悲しくなりながら黙々とカレーを口に運ぶ。
帰り際に、味が変わったねと言うと、
自分たちはこの味でやっていこうと思ってます、とのこと。
おばちゃんはもう店と関係ないの?と聞くと、
辛いカレーの店を守っていくということで引き継ぎました、とのこと。

おそらく、詳しいレシピの引き継ぎなしで、
見よう見まねで味と体裁を再現したという感じなのだろうか。
でも、根本的な何かがぬけ落ちている。
これはもはやハチのカレーではないし、
再現というレベルにもまったく達していない。
まあ、あのおばちゃんが何十年かけて守ってきた味を、
そうやすやすと再現できるほうがおかしいか。

おばちゃんはもう高齢っぽかったし、
いつ店がなくなってもおかしくなかったわけだが、
おにいちゃんは4月の25日と言っていたけど、
実際は4月27日に「本日で閉店します」と書かれた段ボールが
店に貼り出され、その日でハチは閉店したそうな。
そのあと店を引き継ごうという目の前にいる若者が現れ、
再開の運びとなったそうだが、
それからひと月半たらず。すでに客離れが顕著なようで、
食べ終えて店を出た時間帯は、
本来ならば店の外に十数人並んでいてもおかしくないのに
行列はなし。店の中も満席ではなし。

そりゃそうだ。以前の味を知っている人にとって、
これはもはやハチのカレーライスではない。
おまけに、カレーライスそのものの味も
900円のお金をとれるレベルに達していない(個人の主観です)。
「ハチ」という看板に偽りあり、ということで、
二度と足を運ぶまいという客も少なくはないだろう。

ともかく、大阪の辛いカレーライス屋「ハチ」は終了した。
そして、新生「ハチ」の前途は多難。
何より、これじゃ店を継いだ意味がない。
今のままでは、店の維持は厳しくなるかもしれないね。

もし、若い二人が常連さんの意見に耳を傾け、
ハチのカレーを再現できたなら、それはそれで素晴らしいことだし、
その気がなく、ただ単に辛いカレーライスを出したいのなら、
いっそのこと「ハチ」という名前は捨てて、
まったく違う味で、辛くて美味しいカレーをつくり出せばいいと思う。
その場合は、リスペクトの意味を込めて、
辛口料理「ナナ」なんてのはいかがかな?
ともかく若いふたりには、
頑張ってくれという気持ちしかござんせん。

店を出て駅へ歩く道すがら、
もう二度と来ることはないかなという残念な思いと、
1年後くらいに来て、味がどうなったか確かめたい気持ちが交差する。

でもさ、来年あるのか?
店がじゃなくて、ほら。

とある日々 | 20:23:13 | トラックバック(0) | コメント(0)
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