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辛いカレー屋さん「ハチ」

 
大阪の南森町にある「ハチ」に、辛いカレーライスを食べに。 
 
この店、もとはといえば今から30年くらい前は、 
大阪の堺筋本町界隈にあって、 
店の名もそのものズバリ「辛いカレー」だった。 
記憶によるとたぶんそうだった。 
 
その当時、近くのデザイン事務所でバイトをしていたので、 
昼食に幾度となく利用していたのだが、 
店名にいつわりはなく、それはそれは辛いのひと言だった。 
 
というか、辛さしか味を感じられないくらいで、 
店にいる客は全員誰も話しすることもなく、 
まるで荒行をする修行僧みたいに苦痛にも似た表情で、 
ただひたすらカレーを口に運ぶ作業をしているといった、 
正真正銘の辛いカレーライス屋さんだった。 
 
何を好んでこんなものを食べているんだと思うのだが、 
それでもしばらくすると、 
その辛さをまた味わってみたくなる中毒性を持っていて、 
その度に店に足を運んだものだった。 
 
ほどなくその店は移転して、 
元にあった場所より南に離れた商店街のはずれに移ったが、 
たまに無償にその辛いカレーライスが食べたくなって、 
昼休みに往復30分くらいかけて食べにいったものだった。 
 
だっただった、そうだったのだが、 
やがて京都で仕事をするようになり、さらには東京に出てきてからは、 
その店がその後どうなったかは定かではなくなり、 
ただ、辛いカレーを食べる度に、大阪の辛いカレーライス屋のことが思い出され、 
いつかまた、あのカレーライスを食べてみたいと心のどこかで思いつつも、 
移転した店がまったく流行っていなかったので、 
もうとっくにつぶれてしまったと漠然と思いこんでいた。 
 
ところがつい最近、その当時一緒に仕事をしていた友人から、 
突然あの大阪の辛いカレーライス屋の情報が舞い込み、 
これはと思い、今回、京都に来たついでに 
何十年かぶりに食べに行ってみることにした。 
 
場所は前に移転したところよりさらに南の南森町。 
地下鉄の駅から歩いて4、5分の場所にあって、 
到着した昼の12時前にはすでに13、4人の客が並んでいた。 
前の店ではこんなんに並んで食べたことなどないが、 
いくら並ぶのが嫌いとはいえ、今回はここが目的、 
並んででも食べなきゃしょうがない。 
なんせ、月、水、金の3日しか空いていないし、 
店が開いている時間も11時半から13時半。 
しかもご飯がなくなったら終了という、かなりの狭き門。 
ここで諦めたら次はいつになることやら。 
 
目の前にある、けっしてきれいとはいえない小さな店には、 
看板に「辛い料理  ハチ」とある。 
以前は夜に辛い料理を出していたらしいが、今は昼間のカレーライスのみ。 
メニューはカレーライスと生卵だけで、 
閉店後はお持ち帰りのルーも販売しているそうだが、 
昔のスタイルに戻ったということか。 
 
約20分後に入店。 
店内はカウンターだけで定員が8名。 
先に食べている客は誰もが無言で、 
カレーライスをすくうスプーンのカチャカチャいう音だけが響いている。 
カウンターの内側には背中が少し曲がったおばちゃんがいて、 
ひとりで8人の客を相手に切り盛りをしている。 
 
このおばちゃん、一時はパーマ頭に髪を派手に染めていたので、 
魔女と呼ばれていたことがあるそうで、 
辛くて食べ残した客は石にされるという噂まであったそうな。 
でも、確かにあのおばちゃんだ。 
さすがに歳をとっておばあちゃんぽくなってはいるが、見覚えがある。 
 
席に座ると前の客のきれいに完食された皿がひき上げられ、 
大き目のお皿に平たく盛ったご飯の上にまずは煮込んだお肉、 
そしてその上に大きな寸胴鍋からカレールーがどばっとかけられ、 
目の前に差し出された。 
カレーには甘口、中辛、大辛などという段階は存在せず、 
大辛、というか激辛オンリー。 
なので、席に座ると有無を言わさずカレーがどどんと出てくる。 
 
注文できるのは生卵の追加と、ご飯の量を少な目にするだけ。 
隣りの客が生卵を頼んでいたが、 
カレーを差し出されたあとにおばちゃんに真ん中をへこませてと言われ、 
そのへこんだくぼみに生卵がサーブされていた。 
 
さて、ひさかたぶりにあの懐かしの辛いカレーライスにご対面。 
味はどうかと一口パクリ。 
あれ、それほど辛くはないぞ。というか、ぱくぱく食べられる。 
明らかに辛さが弱く、以前のような食べるごとに 
ヒーハー我慢するようなインパクトがなくなっている。 
その反面、辛さ以外に二の次だった味が意外にカレーっぽい、 
というかきちんとしたカレーライスになっている。 
 
それにしてもご飯の量が多い。 
普通のカレーライスの大盛りのさらに大盛りくらいあるかもしれない。 
辛さよりも量が苦しくて悪戦苦闘。 
水を飲んで一息入れたいところだが、 
割と平気といっても普通の辛口カレーと比べても断然に辛いので、 
途中で水を飲むことは辛さが倍増するので御法度。 
おまけに薬味用に置いてある人参のピクルスを食べると、 
よけいにカレーの辛さが増すといった裏技も用意されていたので、 
味を変えてご飯を食べ進むこともつらい。 
 
そいう客がいるのを見越してか、 
テーブルの上にはカレールーだけを入れた器が、 
2.3人にひとつずつ置かれていて、 
自由にルーをつぎ足せるようになっている。 
 
ルーをどんどんかけて残りのご飯をやっと完食。 
辛さはちょっと拍子抜けだったが、 
自分の辛さに対する耐久性は当時を5段階の2とすると、 
今は少なくとも4近くはあるはずだから、 
このくらいはへっちゃらになってしまったのかもしれない。 
もう辛くてたまんないカレーは、 
この店にでは味わえないのか。 
 
そう思うと何か大切なものをなくしてしまったようで悲しくなるが、 
話によるとここのカレー、日によって味と辛さにばらつきがあるらしい。 
こりゃもう一度来て確かめなきゃね。 
つうか、これを書いている時点で、すでにもう食べたくなってきている。 
 
ああ、おそろしや。大阪の辛いカレーライス。 

とある日々 | 23:47:14 | トラックバック(0) | コメント(0)
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