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ATGみたいな


阿佐ヶ谷には「ラピュタ」という施設がある。
ミニシアターと演劇にもつかえるホール、
そしてレストラン。

特にミニシアターはどマイナーな邦画作品を、
連日放映し続けてくれる東京でも屈指の映画館だ。

昔、京都には「京一会館」という映画館があった。
場所は一乗寺という、京都の碁盤の目よりも北に位置し、
俗にいう名画座として、
リバイバル(再放映)専門の映画館だった。

当時300円くらいで3本立ての名画が観賞できるとあって、
関西の映画マニアにとっては御用達の映画館のひとつ、
というか、筆頭を走る映画館でもあった。

学生時代もさることながら、
卒業後、京都のサブカル系のミニコミ誌に携わっていたころは、
週一で通っていたもので、
そのころは年間100本以上の映画を観ていたものだ。

映画といっても邦画オンリー。
しかも、ラインナップは俗にいうマイナー系。
そのころの日本映画は今のような
テレビドラマの延長のよう軟弱なものではなく、
ATGを筆頭に既成の概念をぶっ壊そうという気概に満ちた、
実験的で刺激にとんだ、けっして観客動員なんて見込めないような、
反商業主義な作品の目白押しだった。

今からは想像もできないだろうが、
あのころの日本映画は客が全く入らず、
それでも映画はアートだ、という作り手が
数々の名作を生んでいた奇跡なような時代だった。

思えば、その当時に京一会館で観た数々の作品は、
その後の自分の思考なり情緒なりスタンスなりに、
多大な影響を与えてくれていたのだと、
昨今のエンタテイメントという名の、
人生に何の彩りも与えない、
ただただ、そのときが楽しければいいやみたいな、
(全部が全部そうではないが)映画もどきを観るにつけ思う。

まあ、これが時代なんだと、それさえも否定する気ははないが、
今日、ラピュタで観た「竜馬暗殺」。
監督が黒木和雄といって、ピンとくる人には説明することもないが、
坂本竜馬の最後の3日間を描いた1974年作のモノクロ映画。

おそらく、京一会館でも観ているはずなのだが、
かなりの年月を経てほとんど新鮮な気持ちで観直してみたら、
この映像作品のスゴさが改めて実感できた。

演出、撮影、演技、すべてが、今の映画とは一線を画している。
特に演出技術。
今の若い監督には到底できないだろし、
想像さえもできなだろう。

あの当時はこれがデフォだったのだろうが、
まったくもって、今の映画で(けっこういいいなと思うモノでも)、
この領域に達している作品など皆無だ。
それでも、集客に関しては散々だったのだ。

昔はよかったなんていうつもりもないが、
あの当時、京一会館で観た数多くの映画は、
確実に今の自分の財産になっているし、
それは自分の人生や仕事にも、いい影響を与ええてくれたと思う。

京一の受け付けのおばちゃん(二人)の顔は、
今ではぼんやりとしか思い出せないが、
日本映画の最後の砦としてがんばっていた京一会館で、
観た映画の数々はけっして色あせることはない。

あの、場末のスーパーマーケットの上の、
いついっても客がいない名画座のなかで、
これから将来がどうなるかなんて霧中だったころの、
スクーリーン、その霧中のなかで繰り広げられる、
数々の荒唐無稽な人生模様。それを描いた作り手たちに乾杯。

とある日々 | 23:17:29 | トラックバック(0) | コメント(0)
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